現在、胎児診断は妊娠中後期から妊娠初期に移行してきています。この分野はどんどん進んでおり、2011年の札幌での第4回日本イアンドナルドアドバンストセミナーの受講者も、一年でさらに進化した講義が聴けること間違いなしです。かなり新しい情報が満載のセミナーになります。

今回のセミナーは妊娠初期診断のみにフォーカスをおいて初期診断のプロを養成することを目的としています。妊娠初期診断では国際的にもかなりすすんでおり、妊娠初期診断・染色体遺伝子診断などではアジアだけでなく世界の中心となっているChinese University Hong Kong, Prince Wales of Hospitalの各専門家4人に来日をお願いしました。TK Lau先生は国際学会でもアジアの誇る第一人者として注目されている若手教授で、アドバンストセミナーやNTセミナーで毎年来日していただいており、日本でもかなりのファンが多いです。また、フランスのVille先生は産婦人科超音波や胎児治療の分野でも非常に有名な先生です。

プロによる実際のデモスキャンを目の前で公開します。FMFのNT資格は現在40名の取得者が国内にいますが、資格取得方法をFMFホームページのアクセス方法から順を追って説明しますので、今回こそNT資格がとれるようになると思います。また、アドバンスト編では、わかっているようでわかっていない染色体の基礎知識、G-bandから最新のDNA chip(array CGH)についての基礎知識、実際の症例データの提示を行います。実際の患者様でのライブスキャンデモや、患者説明のロールプレイなどもあります。
欧米や多くのアジア諸国で(インドやベトナムでも)行われている経腹的CVSは日本ではほとんど行われていなかったのですが、本邦で年間1,000例以上のCVSを行っているエキスパートによる実演デモンストレーション(日本初!!)で針の刺し方やCVSのテクニックをわかりやすく説明いたします。

実際の症例に対するカウンセリングや説明のあり方についても細かくディスカッションしたいと思っています。遺伝カウンセリングのスペシャリストである森崎裕子先生と香港のAlan Chan先生にもご参加いただき、わかりやすい基礎知識から実践についてお話を伺います。また、日本でこの分野の中でずっと活躍されている斉藤仲道先生からは、日本の出生前診断の歴史的背景や日本の現状を激白していただきます。日頃から初期診断に疑問を持っている人、自信がない人が明日の臨床から正しい目を持って患者様にあたっていただけるように、患者様に少しでも正しいエビデンスに基づく安心を与えていけるようにと講師一同願っています。

英語での講演はすべて逐次通訳をプロのドクターにより行います。「わかっていないのに笑う」ことのない、皆様の「完全な理解」を目指しています。